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導入事例(企業編)

企業向け

グローバル人材開発戦略としてまず始めに明確な指標を作りました 株式会社富士ゼロックス総合教育研究所

株式会社富士ゼロックス総合教育研究所(以下FXLI)は、富士ゼロックスの教育事業部から1989年に独立した企業です。豊富な経験と知見に基づくコンサルティング業務から、施策の提案、教育プログラム・教育ツールの開発、教育研修の実施、プロジェクト運営方法の指導、施策の活用・定着の支援に至るまでを、富士ゼロックスおよび関連企業、その他さまざまな業種の企業に対してトータルにサポートしています。今回はFXLIの人材力強化統括部の新井曜子氏と山田裕康氏にお話をお伺いしました。

FXLI 人材力強化統括部 新井曜子氏

FXLI
人材力強化統括部 新井曜子氏

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 グローバル化の進展が加速するなか、富士ゼロックスにおいても“グローバルメーカーへの転換を果敢に進める”という社内方針が2003年に掲げられました。そこでグローバル戦略実現のために必要な人材の確保が課題となり、私どもFXLIは、社員の英語力強化に取り組むことになりました。

 英語力強化対策の第一歩として、英語力の評価体系を開発することになりました。目的は、グローバル人材育成プラン立案に必要な現状把握の方法を確立し、社員に英語力向上の必要性を自覚させ、自助努力を促すことが狙いでした。そのためには先ず明確な英語力の指標を作り、人事制度に取り込むことが必要であると考え、“英語力アセスメントツール開発プロジェクト”を発足させました。

 富士ゼロックスが希望する英語力アセスメントツールには条件が3つありました。その条件とはビジネスで求められる英語力のレベルを数値で示すこと、英語力を構成する評価項目を明示すること、そしてシステムとして継続的にアセスメントが可能であることでした。簡単に言うと、ビジネスの現場で必要とされている英語力が測れるかということと、運用上物理的に実施可能かということです。これらの条件を満たすアセスメントツールを求めて、市販のテストを隈なく調べましたが、ひとつのテストで条件全てを満たすものはありませんでした。

 そこでテストをいくつか組み合わせることで、富士ゼロックス独自の評価体系を構築することにしました。その際、開発の基本方針として、国内外の研究機関や研究者による研究成果を有効利用し、理論的な裏付けにそったアセスメントツールを開発したいと考えておりましたので、テスト開発を専門にしている教育測定研究所に協力をお願いしました。

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 評価体系を開発するにあたり、まずは市販のテストを調査しました。短時間で正確に測定できることから、当初よりCASECに注目していました。海外など遠隔地においても同じ試験で測定できることが現場から求められていましたので、インターネット上で受験できるCASECの利便性はこの条件に合致しました。またCASECとTOEICRのスコアとの相関が高かったことから、社内的に説得しやすいと考えました。

 しかし、現場はプロダクティブなスキルを強く求めていたため、CASECにプラスして直接的に発話させるテストも加えることでより詳細なレベルの測定が可能と考え、CASECで一定レベル以上の結果を得た人は2次試験としてインタビューテストを受験する仕組みにしました。

 インタビューテストは当社が独自で開発しました。しかし、14000人以上の社員が2次試験に進んだ場合のことを想定すると、一人一人を面接するテストは運用上、物理的に不可能であると考え、CASECとインタビューテストの間に、もう一段階、人数を絞り込むためのテストを加えました。このテストには、フォンパスを採用することにしました。フォンパスは、電話でコンピュータによる音声を聞き、受験者が発話することによってスピーキング能力を測定するツールです。できるだけ多くの社員に、早い段階で発話する機会を与えたいという目的もあり、多数の受験者が効率よく受験できるフォンパスを選びました。

 このようにして、まずはCASECを受験し、CASECで500点を超えた人はフォンパスを受け、フォンパスで46点以上だった人がインタビューテストに進む、といった3段階の仕組みが出来あがりました。

 次に、これらのテストによるスコアが、ビジネスでは具体的にどう反映されるのかを明確に示すためのCan Do Listを作成する必要がありました。ここで現場において大規模なアンケート調査を行い、現場で期待される英語力レベルを徹底的に調べました。

 このような過程を経て、富士ゼロックスグループにおける、社員の英語力を示す明確な指標ができあがりました。現場で必要とされるスキルが具体的にイメージしやすい、納得感の高いものに仕上がったと自負しています。

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 この指標の最高レベルである「レベル8」に到達した社員は未だ一人もおりません。MBAのための海外留学経験者のなかに、上から2番目の「レベル7」に該当する人がいる程度です。というのは、3次試験であるインタビューテストは、英語表現力だけでなく説得力、交渉力、論理性、反応の良し悪し、正確さ、簡潔さ、ボディ・ランゲージ、オープンネス、創造性などをも試す内容となっており、富士ゼロックスの社員が現段階でそう簡単に到達できるレベルではありません。しかし、実際にビジネスの現場で活躍できるレベルかどうかを細かく判定する必要があったことや、各自で目標を高く定めてほしいという期待も込めて、CASECやフォンパスで高得点を取得した人をさらに細かくレベル分けする仕組みにしました。

 この指標を公開することにより、自己啓発を後押しするという狙いがありました。2次試験であるフォンパスを受験する資格を得るためのCASECのスコアを500点と、若干低めに設定したのもプロダクティブなスキルを早い段階で身に付けてほしいという現場からの要望を受け、各自学習の指針にしてほしかったからです。ちなみにCASEC500点までは自助努力で到達するようにとメッセージを送っています。

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実際には各レベルに評価の詳細が記載されている。例えば「レベル8」の「現場で期待される英語レベル」には「QEDに絡む交渉、或いは利害関係の対立する中で自己の主張を説得力を持って展開することが出来、最終段階の対面交渉の場において、自社に有利な条件で最終的な合意をとりつけることができる。また電話によるコミュニケーションにおいても、QEDに絡む相手を積極的に説得することができる」と記載されている。

 このように私たちはグローバル戦略のひとつである英語力強化対策として、まずは潜在能力から運用能力まで測れる明確な指標作りから始め、この作業に約1年を要しました。ようやくスタートラインに立てたところと言えます。

 グローバル企業とは、何か世界に誇ることができる強みを持っている企業だと思いますし、そこで活躍するグローバル人材とは、何よりもまず世界に通用する専門性や、企業人としてバランスの取れたスキルや資質を持っていることが条件だと考えています。そして、それらの強み、すなわち優れた専門性を世界に発信するためには英語力が必要です。

 次の課題は、この英語力の指標を、富士ゼロックスグループの人事制度にどのようにリンクさせていくか、同時に、この指標にそった教育プログラムをどのように構築し実施していくかです。グローバルメーカーとしてのさらなる発展のために、現在はこれら次に控える課題に取り組んでいます。

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