導入事例

多くの企業・学校でCASECが活用されています

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多摩美術大学様

学生個々の目的に合わせた英語とその基礎力を培う

大学等の学校CASEC

多くの芸術家、デザイナー並びに教育者、研究者を輩出し、絵画、彫刻、工芸、デザイン、建築、映像、演劇、舞踊、芸術学など多様な美術芸術分野を網羅する多摩美術大学。表現のための技術と専門知識の獲得だけではなく、芸術の制作には人間性も必要であるという観点から、「高い専門性と総合性の融合」を掲げている。そして国際社会に対応する幅広い教養を身につけた人格形成と、現代社会に貢献する優れた人材育成を目指している。英語教育も当然その一要素である。多摩美術大学の英語教育について、リベラルアーツセンターの中嶋英樹先生にお話を伺った。

お話を伺った方:
リベラルアーツセンター 准教授 中嶋 英樹先生

課題

  • 目的別のロードマップ作成時に基礎となる習熟度別クラスがなかった
  • 入試の英語だけでは、リスニングも含めた学生の力を計り切れていなかった

解決策

  • CASECの導入

効果

  • 習熟度別クラスの実施が実現した
  • 学生の英語力把握の解像度が上がった
  • 受験からスコア一覧が届くまでのスピードが速い
  • 学生にとってハードルが低いので受験率が高い

教育目標・特長

  • 個々の目的に合わせた英語教育を目指し、そのためのロードマップを展開
  • 美術や作品について、語彙だけではなく英語圏特有の話し方を学ぶ
  • 日本語と英語、それぞれの言語で授業を行い、理論と実践をバランス良く身につける

大学について

多種多様なロードマップとそれを実現するための授業展開

― 多摩美術大学の英語教育の考え方を教えてください。

【中嶋】美術大学の場合、英語を身につけることは、自分の作品に触れる人を増やすことにつながります。今の時代、学生はSNSで自分が作ったものを公開しています。それに対して、英語の説明文をつけていなくても、海外の人が英語でコンタクトをとってきます。そこで必要となるのが英語力です。

また多摩美術大学は、カリキュラム選択時に、見据える目標の例として、アートやデザインに関連した英語、学び直し、留学、就職のための英語、海外で作品を発表する、などのモデルケースを学生に提示しています。学生それぞれの目的に合わせた英語が教育目標となります。美術や専門的なゴールもありますが、ロードマップとしてはまず基礎力をつけることを重視しています。2年間で基礎を学び、それから領域を絞って専門的に学んだり、必要なスキルを身につけていく方針です。

― 特徴的な取り組みにはどのようなものがありますか?

【中嶋】アートやデザインの専門分野の英語教育においては、伝え方を学ぶ授業があります。専門的な語彙表現も踏まえますが、それよりはどういう構成でプレゼンテーションをした方が、英語圏の人たちに伝わりやすいのか、納得してもらえるのかについて学びます。概要から話した方がいいのか、ディテールからの方が効果的なのか、世界で通用する美術のプレゼンテーション能力を身につけます。

他にも、多摩美術大学の英語は、運営言語が日本語の授業と英語の授業があります。日本語による授業で説明や解説を受け、それを練習して定着させる授業が英語で展開されます。学生は日本語運営のクラスと英語運営のクラスを均等に履修し、語学力を積み上げていくシステムになっています。

CASECの活用について

習熟度別クラスの実現と、学生を知るためのデータベース

― CASECはどのように活用されていますか。

【中嶋】多摩美術大学では、基礎を学ぶための全学共通の英語の授業に習熟度別クラスを採用しています。そのクラス分けとして使っているのがCASECです。学生の学ぶモチベーションには美術や芸術に関することがらが大きく関わっています。英語の基礎力が十分にある学生は専門的な語学の授業をできるのですが、まだ基礎が必要な学生もいます。個々の目的に適したロードマップを実現するにはまずは学生の実力を知り、習熟度別でクラス分けをする必要があります。CASECの一番大きな使い方としては、このプレイスメントになると思います。
また、英語圏へ留学に行く学生に対して渡航前と後で語学力の成長を測定するためにも活用しています。

他にも、クラス分けの時に受けたCASECの点数を聞くことで、その学生の語学力の目安を理解できるので、それを基準に英語や海外渡航の相談にのることができます。加えてCASECは受験した学生のデータが残るので、英語という軸で学生を検索することができます。学生を知る上で、CASECは私たちの業務のベースになっていて、授業外でも役立っています。

CASECの導入経緯

ロードマップのスタート地点を確立するテストとして導入

― CASECを導入した経緯を教えてください。

【中嶋】2015年、学科改変のタイミングで英語教育を見直すことになり、学生が目指す将来の目的と、そのためのロードマップが作られました。ロードマップには学生の語学力の把握と、そのレベルに合わせた授業が必要なのですが、当時は習熟度に分かれたクラスがありませんでした。そのため、学生の語学力を計り、ロードマップの最初の地図作りとしてCASECを導入しました。入試にも英語の試験はあるものの、リスニング力は計れません。CASECはリスニングも計れますし、入試では見えてこない学生の苦手意識のようなものが可視化でき、より解像度の高い実力が計れると感じています。習熟度別に分けるということがカリキュラムすべての根幹を担っています。CASECは英語教育のスタート地点としてとても重要です。

CASECの効果について

クラス分けにおいて成績が出るスピードが早く、学生の受験率が高い

― CASECを利用するメリットは何でしょうか?

【中嶋】入学直後の時期、CASECの受験から習熟度別クラス分けまで、本当に時間がない中で、学生のスコア一覧を出してもらえるスピード感はとても助かっています。あの時期のあの対応速度は本当にありがたいです。

また、学生に対するCASECの周知はオリエンテーションの場が中心となりますが、95%くらいの学生が受験しています。これも非常に有用だと感じています。やはり受験のハードルが低いということが学生に受け入れられやすいのではないでしょうか。オンラインで受けられますし、試験時間も短いですし、PC以外の端末も使えますし、すべてがとてもコンパクトです。スマートフォンなどのデバイスでも受験できることは理由として大きいかもしれません。

今後について

学生の伸び率を計測し、授業やカリキュラムにフィードバックしたい

― 英語教育における今後の展望を教えてください。

【中嶋】まだ先のことではありますが、学生の伸び率の測定も行いたいと考えています。入学時の実力を計るだけではなく、その後どう成長したかが定量的に観測できると、学生個々の目的に紐づく他の英語授業にも活用できるはずです。

さらに、効果測定ができれば、それは教員の授業作りの参考にもなります。拡大していけばカリキュラム全体にも有効となると思っています。

Client

多摩美術大学

・設立年:1935年 ・学部:美術学部