CASECの活用目的について
フジテック株式会社では、グローバル化に対応しうる人材の育成・確保の一環としてCASECをご活用いただいています。
どのような人事制度・人材育成を行っているのか、伺いました。
実践的な「英語力」をベースとし、英語圏以外の地域では現地の言語習得も視野に
― 御社がかかげる「グローバル化」における課題をお聞かせください。
【豊永】やはりグローバルに対応できる人材の確保と育成です。ベースとしては各国のやり方に任せるという方針を取っていますが、そうした現地の事情に対応できる人材を育成していかなければなりません。
具体的には、海外に赴任する人材の語学力も当然重要と考えています。英語は国際共通語なのでもちろん大事です。海外事業を担う部門の人材は英語でコミュニケーションを取ることが多いので、実践的な英語力が必要です。
また、東南アジアなど英語圏ではない地域に赴任するケースもありますから、場合によっては現地スタッフを相手に現地の言葉でコミュニケーションを取ることもあります。
課題と導入について
グローバル化をリードできる人材育成を目指し、独自のプログラムを実施
― 「グローバル化」における人材育成の課題に対して、どのような取り組みをされていますか?
【豊永】当社では社内向けの「グローバル人材育成プログラム」を10年以上実施しています。プログラムは社員なら誰でも参加することが可能で、TOEIC®スコア200点前後の英語が得意ではない人が参加した例もあります。このプログラムは海外勤務に必要なスキルやマインドを学んでもらうことに主眼を置いています。
語学面でいえば、英語の講座も用意されており、修了時には社長の前で、英語でプレゼンをする機会が設けられています。プログラム参加当初は英語がまったく話せなかった人が最後には立派にプレゼンをやり遂げている姿を見ると、プログラムの成果を実感しますね。
プログラム卒業後は、卒業生の6人に1人が実際に海外に出向しています。海外で働いてみたいという人にとっては、このプログラムが入り口となっています。
― 御社の人事制度において「英語力」はどのように評価されるのでしょうか?
【豊永】幹部に昇進する際の条件として英語力の項目も設けています。必須条件とはしていませんが、一定のTOEIC®スコアの要件を満たせば加点するような制度があります。
CASEC導入で「いつでも」「どこでも」柔軟に英語力測定の機会を!
―CASEC導入の経緯についてお聞かせください。
【豊永】当社では半年に一度、社内で希望者向けのTOEIC®テストを一斉に実施していました。しかし、コロナ禍になり、一堂に会してテストを受験してもらうということができなくなり、3回連続で予定していた試験の中止を余儀なくされました。
英語力を定期的かつ継続的に測定することは重要ですし、社員にその機会を提供するのも重要だと考えていましたので、オンラインでいつでもどこでも受験できるCASECを導入することになりました。
CASECの活用について
自己啓発として試験実施。内定者の内定式直後と入社前の英語力測定比較にも利用
― CASECをどのように活用されていますか?
【豊永】一つが自己啓発としての社内での試験実施です。1月と7月にそれぞれ受験希望者を募って、CASECの受験用チケットを配布して、好きなタイミングで受験してもらうようにしています。
もう一つが内定者向けです。内定式の後に内定者全員が受験し、その時点での英語力をチェックします。試験後に英語教材を渡して勉強してもらい、入社直前にもう1回実施し、内定式から入社までの英語学習の成果を測定するようにしています。
導入効果について
全社員に均等に受験機会を提供できること、受験しやすさなどの利便性から受験者増に
― 導入後はどのような変化がありましたか?
【豊永】CASECはアダプティブなテストで各自の能力に合った問題が出題されるので、特に英語の初級者にはCASECを勧めています。
他の試験ですと、そもそも問題に取り組むにあたって一定の英語力が必要です。例えば、TOEIC®470点以下のような方ですと、TOEIC®の問題が難しすぎて正確な力を測りにくいと思います。
また、CASECの「いつでも受験できる」ところと「試験時間が平均40分~50分と圧倒的に短い」ところは受験者からの評判も良いです。試験の受けやすさが向上したことで定期的に受験する人は増えました。
他にも、他の試験のような集合受験のスタイルですと、大きな事業所でしか実施できない点が課題でした。地方の小さい事業所の社員だと少し不利になってしまうようなところがありました。一方、CASECを導入してからは、社員が「どこからでも」同じように試験を受けられるようになったので、利便性もよくなりました。
今後について
自ら考え、行動できる人材育成のためのプログラムを提供
― 最後に、人材育成の観点での今後の展望をお聞かせください。
【豊永】人材育成の面で、いわゆる「指示待ち人間」ではなく、自律的に動ける人材を増やしていきたいと思います。各種研修もそういった方向に向けたものにしていきたいですし、自分で考えていろんなことに積極的にチャレンジする方を育てるプログラムをつくっていきたいです。