社内の英語力向上について
グローバルに視野を広げるため英語力向上を目指す
― 御社において英語のニーズはどれくらいありますか?
【鈴木】約2,000人いる社員のうち、日本人の社員は500人弱で、残りが海外拠点の現地採用の社員になります。そのため海外拠点におけるコミュニケーションはほぼ英語です。日本に在籍する社員の場合は部署によりますが、日本食やアジア食を海外に輸出する部署は、英語を使う機会がかなり多いと思います。その他にも青果物や海外ブランドの食品を取り扱う部署でも、調達の担当者などは英語を頻繁に使用しております。
【佐藤】他にも買収案件では財務担当者が現地に赴任するケースもあり、その際は英語を話せることが求められます。また今後は人事が現地採用の人事とやりとりをすることも増えてくる見込みです。
― 御社では英語力の向上が重視されていますか?
【鈴木】会社の方針として、もっとグローバルに視野を広げていくことが重視され、その文脈において英語力向上を目指しています。
【佐藤】ビジネスの形が変容し、今や海外の日本食レストランは日本人が経営しているとは限りません。日本人以外が経営しているレストランも取引先として開拓していくため、今まで以上に英語力が問われるようになってきました。
検定の課題とCASEC導入について
時間、場所の制約を解決したCASEC
― 検定試験導入の経緯と、導入後の課題について教えてください
【鈴木】現時点での社員の英語力を可視化することと、社員の英語力の向上に向け、定量的な目標を設定するということの2つの理由で2015年に、当初は他社の検定試験を導入しました。
【佐藤】ただ当時の検定試験は、社員を集めて紙で実施するテストでした。社員の時間的な制約も多く、試験監督の配置も必要だったため運営費用も高く、受験結果もすぐ出ませんでした。
【鈴木】国内には東京と神戸に拠点があるため、社員の日程調整など人事としても負担が大きく、2019年に利便性が高いCASECを導入することになりました。
CASECの活用について
CASECとe-learningを組み合わせて研修作り
― CASECの実施状況について教えてください。
【鈴木】年1回実施し、2年に1回受験することを必須にしています。今年受けたら翌年は任意です。実施期間は10月、11月あたりから3カ月くらいです。またTOEIC換算で860点を超えたら次年度以降は受験免除という制度にし、定量的な目標を設定しています。また、2021年くらいからCASECの実施に合わせて、全社で導入をしているe-learningのプラットフォーム上の英語学習教材を配信するようにしました。CASECをきっかけに英語の学習をしたいと思っている社員をサポートし、体系的な研修を確立したいと思っています。
導入効果について
全社員の英語力把握が、効果的なグローバルモビリティを実現
― CASECを導入してみて、どのような感想をお持ちですか?
【鈴木】社員の英語力にばらつきがあるため、回答の正誤によってリアルタイムに問題の難易度が変わるのはとても良いです。TOEIC600点の難易度の試験を、TOEIC200点の英語力の人が受けたら、何も解けずモチベーションが下がります。解ける問題があったり、確かこういうスペルだったと挑戦できることはとても大切なことだと感じています。即時的に結果が出ることもモチベーション向上につながっていると思います。
【佐藤】オンラインで好きな時間、好きな場所で受験できるため、社員の日程調整が不要です。運営側の負担もだいぶ軽減されました。
【鈴木】全社的な英語力をすぐに把握できることも大きなメリットです。例えば海外駐在員の人選においても、少なくとも2年以内の全社員の英語力のデータがあり、1つの定量的な指標として利用することができます。会社のグローバル化を進めていく中で、今後の施策検討にもスコアを活用できると考えており、そこが人事総務部としては一番大きな効果です。
今後について
自立的に学び続けられる社員と組織を目指す
― 人事総務部としての今後の展望を教えてください。
【鈴木】目指すところは自立的に学び続けられる組織です。当社の事業領域的にも、多くの社員にとって、語学力の向上が業務のパフォーマンスに直結します。今は研修として、会社が検定試験と一緒にe-learningの教材を紹介していますが、理想は社員がCASECのレポートを活用して、自身に不足しているところを把握し、自発的に学習をすることです。毎年1回のCASECを起点に人事から語学学習について考えるきっかけを提供することで、英語を通常業務で使用しない社員も含めて、自立的に学んでいける社員が増えていくと良いと思います。