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2020年に創始150年、学園創立120周年を迎えた立命館大学。関西を代表する歴史と伝統を持つ私立大学の一つで、特色豊かな16学部を有する総合大学です。なかでも経済学部の歴史は古く、創立75年を誇り、これまでに6万人以上の人財を社会に輩出してきました。現在は、滋賀県草津市に位置する広大なびわこ・くさつキャンパス(BKC)を拠点に、多様な学生が思い思いに学んでいます。国際教育や語学力の育成に力を入れる立命館大学経済学部の英語教育ならびにCASECの活用状況について、同学部教授の野澤健先生にお話を伺いました。 |
立命館大学経済学部では、2017年度にカリキュラムを改訂。学部全体で国際教育の一層の充実化を図っています。語学力の育成に力を入れることに加え、海外留学や海外インターンシップの機会を拡充。異文化に触れ、海外の経済社会を学ぶ面白さを体感できる多彩な国際教育プログラムを展開し、グローバルな視野を持って学ぶ学生をサポートしています。
経済学部は経済学科1学科制で、「経済専攻」と「国際専攻」の2つの専攻からなり、さらに国際専攻には「英語インテンシブコース」と「中国語インテンシブコース」を設置しています。
「国際専攻の専門科目の中には英語で開講されているものも多く、グローバル化した経済・社会に対する洞察力や分析力を磨くために、英語や中国語に力を入れた独自の外国語プログラムを展開しています。また、海外に出て行くことに意欲的な学生が多く、海外留学や海外フィールドワーク(企業訪問)、海外インターンシップなどの機会を豊富に設けているのも特徴です。ここ数年はコロナ禍の影響で海外プログラムが中止・縮小されていましたが、今年度は海外に出ていく学生の数が回復してきています」(野澤先生)
必修の外国語科目は1年次と2年次前期に実施しており、2・3年次には選択科目としてワークショップ型の英語の講座を開講しています。1年次の英語のカリキュラムは、経済専攻は週5コマ、国際専攻の英語インテンシブコースは週6コマで、うち週2コマはネイティブの教員が担当しています。また、国際専攻の中国語インテンシブコースでは中国語の語学力育成に力を入れており、中国語週5コマ+英語週1コマとなっています。
「必修の英語では、2年次以降に経済学を英語で学ぶためのスタディスキルを育成することを目指しています。リスニングやリーディングの際にも、ただ内容を理解するだけでなく、メインアイデアの抽出、クリティカルシンキング、エビデンスに基づいた分析、論理的思考などのアカデミックな見方・考え方を意識した授業を行なっています。また、経済学には欠かせない統計や数値・グラフなどについても、英語で読み解けるようベースとなる力を養います。
一方、ライティングやスピーキングといったアウトプットについては、ネイティブ教員による授業が中心になります。ネイティブ教員の授業はテーマ性が高いのが特徴。オリジナルの教材を使い、環境問題や社会問題といった実際に世の中で起きていることを経済に絡めて学び、自分の頭で解決策を考え、意見を交わし合います」(野澤先生)
国際専攻のネイティブ教員が担当する英語の授業は、1クラスを2つに分けた少人数制で行うのが特徴。「英語を使えるものにするために、スピーキングなどアウトプットする力を伸ばしやすいよう配慮している」と野澤先生は言います。国際専攻の学生は入学時から比較的高い英語力を有する一方、経済専攻の学生の英語力や英語に対する学習意欲は多様で、「英語が好きな学生もそうでない学生もいるが、多様性を尊重しつつ、必修科目を通して少しでもスキルアップしてもらえるよう努めている」と言います。
立命館大学では、現在、グローバル教養学部を除くすべての学部で、英語のクラス編成を目的に、入学者全員に入学前英語オンラインテストの受験を課しています。どのテストを受けるかは学部により異なり、経済学部、食マネジメント学部、スポーツ健康科学部では、CASECを導入しています。経済学部での導入は最も古く、2006年度にさかのぼります。
「入学時の学生の英語力は多様なので、レベル分けをするためのプレイスメントテストとして、また、1年後の到達度を測るアチーブメントテストとして、CASECを活用してきました。導入当時は、入学後に授業時間を使ってプレイスメントテストを実施していたため、テスト時間が短く授業時間内に終わるものであることが求められました。CASECは解答の正誤により次に出題される問題が変わるアダプティブなテストのため、短い時間でも正確な結果が出るのが最大のメリット。また、テストの中には一定以上・以下はレベル分けの精度が落ちるものもありますが、CASECはどのレベルであっても細かくスコアが分けられる点も魅力です。アチーブメントテストについては、かつては3日間ほど使って教室に学生を集めて行なっていたのですが、CASECは(アダプティブなテストで)学生により出題される問題が変わるため、不正のリスクがない点も安心でした」(野澤先生)
また、CASECの導入と同時期に、英語のE-Learning教材「ぎゅっとe」を採用。大学生に向けて開発されたプログラムで、大量の教材を集中的に学習することにより、効果的に英語力を伸ばします。なお、「ぎゅっとe」は広島市立大学の青木信之教授らが開発した学習プログラムで、野澤先生も科研費の研究組織の一員として改善に協力しています。
かつては入学後に学内で実施していたプレイスメントテストは、コロナ禍で会場に集まるのが難しくなったことを機に、すべてオンライン受験に切り替えました。入学予定者には3月末日までに受験するよう案内し、受験が遅れている学生には個別に電話連絡をして受験を促しています。受験場所の指定はしていませんが、学生の多くは自宅で受験をしており、大きなトラブルはないと言います。
「現在は、CASECのスコアにより、経済専攻・国際専攻とも3つのレベルに分けています。レベル感としては、国際専攻の真ん中のレベルが経済専攻の上のレベルとほぼ同等です。アチーブメントテストについては、1年次の12月に実施しています。一定期間を設け、各自がオンラインで受験します。英語の必修科目の授業を受けた成果としてどれだけ伸びたのかを測定するのが目的で、成績にも加味しています。CASECは一般的な英語の検定試験とは異なり、いわゆる対策本がありません。対策本をやればスコアが上がるテストだと、授業を受けなくてもスコアを伸ばすことができてしまいます。私たちがアチーブメントテストに求めるのは、あくまでも授業による成果です。学生自身がどれだけ努力したかを測ると同時に、教員が教えている内容がどれだけ学生に身に付いたのか、我々に対する評価でもあるのです。例えば、CASECの結果を見て、全体的に伸びの悪い領域があれば、そのスキルを伸ばすような指導方法や教材を考え、授業を改善していかねばなりません。このように、授業のクオリティを振り返るための参考データとしても、CASECは有効だと感じています」(野澤先生)
また、学生にとってのCASECの受験メリットについて、野澤先生は次のように話します。
「自分のタイミングやスケジュールに合わせて受験できるフレキシブルさや、受験時間が短く結果がすぐに出ること、過去のスコアを参照できることは、学生にとってもメリットだと思います。アチーブメントテストについては結果に一喜一憂する姿もありますが、結果と共に表示される学習アドバイスやCASEC CAN-DOを学習の参考にしている学生もいるようです。また、海外プログラムに申し込むため、2年次以降に自費でCASECを受験する学生もいます。本学の海外プログラムは、TOEIC®スコアで申し込めるものもあり、CASECを利用する3学部では、CASECスコアと並んで表示されるTOEIC®スコア目安でも申し込めるようにしてもらったという経緯があります。CASECはTOEIC®との相関が高いので、その点でも活用の幅が広がりやすいと思います」
早期からCASECを導入・活用してきた立命館大学経済学部。英語をはじめとした語学力の育成に力を入れてきた成果、そして課題も見えてきています。
「特に国際専攻の学生は高い英語力を習得していると感じます。今後の課題は、4年間を通して英語力を伸ばしていけるよう、継続してサポートする体制を整えることです。私が担当するのは必修科目の部分ですが、経済の専門科目を英語で教えている教員も多いので、より連携を強化して、英語の必修科目をブラッシュアップしていきたいと考えています」
びわこ・くさつキャンパス(BKC) セントラルアーク1階 「ドリーム・クロスラウンジ」
※感染対策を十分に講じた上で取材・撮影しています。
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