導入事例

多くの企業・学校でCASECが活用されています

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桜美林大学様

英語を“知識”から“スキル”に転換する

大学等の学校CASEC

「キリスト教精神に基づく国際人の育成」を建学の精神とし、世界を舞台に活躍できる人材の育成を目指した教育活動を展開してきた桜美林大学。開学以来、教養教育を重視し、学群制の導入により専門性を高めつつ、異なる分野を横断的に学べるのが特徴だ。英語をはじめとした外国語教育や国際交流にも力を入れており、その英語教育には定評がある。桜美林大学の英語教育ならびにCASECの活用状況について、リベラルアーツ学群准教授のマルコス・ベネビデス先生、グローバル・コミュニケーション学群教授の熊澤雅子先生にお話を伺った。

お話を伺った方:
(左) グローバル・コミュニケーション学群 教授 熊澤雅子先生
(右) リベラルアーツ学群 准教授 マルコス・ベネビデス先生

課題

  • なかなかなくならない不正防止
  • 一部学群のみプレイスメントテストを大学内で実施していたこと

解決策

  • 「CASECプロクタリング」の採用

効果

  • よりスコアの信頼性が増したこと
  • アセスメントテストや留学生のテスト実施も実現

教育目標・特長

  • 本学独自のプログラムELP(EnglishLanguage Program)で英語教育に注力
  • タスクベースの英語授業を展開。目的を達成できる英語力をつける

大学について

7つの学群がそれぞれ特色あるプログラムを展開

― 貴学の英語教育における特色を教えてください。

【熊澤】本学では、長年、学部を問わず英語教育に力を入れてきました。 その英語教育カリキュラムをデザインし運営しているのが、ELP(English Language Program)です。ELPは、多読やタスクベースの学習など“英語を使う”アクティビティを多く取り入れて、多彩で効果的な英語のクラスを学生のニーズに合わせて提供しています。
聞く・話す・読む・書くの4技能をバランスよく習得し、実践的なコミュニケーションにつながるよう構成されているのが特徴です。

【ベネビデス】近年は、7つの学群がそれぞれのニーズに合わせて英語プログラムをカスタマイズしています。
例えば、ビジネスマネジメント学群では、ビジネスに特化した英語教育を行っており、TOEIC®の対策などにも力を入れています。
学群ごとに英語プログラムのコーディネーターを務める教員がおり、授業内容や教材、評価項目、評価基準などを統括しています。

【熊澤】講師やクラスメイトが異なっても同じような体験ができ、同じ基準で成績がつくよう、クオリティと公平性を担保しています。重複なく学べるので、英語学習の効率性の観点でも統一プログラムにすることは重要と考えています。

タスクベースの学習で、使える英語力へとレベルアップ

― 具体的にどのようなカリキュラムが組まれているのでしょうか。

【ベネビデス】私が所属するリベラルアーツ学群では、幅広い知識を身につけることで総合力のある人間育成を目指しており、英語で講義が行われる必修・選択科目も多いです。
自分が選んだ学問分野を学ぶためには、アカデミックな英語力が必要。“読むためのスタミナ”がつく多読を軸に、精読も実践してバランスよく力がつくよう心掛けています。
2021年度からは新カリキュラムがスタートし、文系・理系の基礎研究、アカデミック・ライティング、アカデミック・プレゼンテーションのための英語教育により重点を置くようになりました。

【熊澤】私が所属するグローバル・コミュニケーション学群では、1セメスターの海外留学がカリキュラムに組み込まれており、英語を学ぶほぼ全学生が2年次に留学を体験しています。さらに、2年次以降は英語で専門科目を学ぶクラスも多くなり、1年次のうちから、高度なレベルで話す・聞く力を身につけることを目指します。
ボキャブラリーについても、日常会話レベルを超えたアカデミックな語彙の習得が必要ですね。授業外でもリスニング・スピーキングや語彙習得のデジタル教材を採用して、学習のサポートをしています。

日本の学校で学んできた学生の多くは、英語についても知識中心です。これをスキルに転換していく、つまり、使える英語力へとレベルアップしていくことを指導の軸にしています。具体的には、英語を使ってプレゼンテーションをする、ディスカッションをするなど、“ある目的を英語を使って達成する”というタスクベースの授業を実践しています。

【ベネビデス】タスクベースの英語学習においては、目的を達成する、相手に正しく伝えることが大切で、文法はそのためのツールの一部という扱いです。とにかく使うことで、英語のスキルも英語を使うマインドもブラッシュアップされていきます。

CASECの活用について

新入生のプレイスメントテストとしてCASECを活用

― 現在、CASECはどのように活用されているのでしょうか。

【熊澤】本学では、2009年にCASECを導入して以来、主に新入生の英語クラスのプレイスメントテストとして活用してきました。
コロナ禍以前は、グローバル・コミュニケーション学群の新入生は大学で、それ以外の学群の新入生は自宅で、入学前にCASECを受験。その結果をもとに、レベル別に3〜4(学群による)のクラスに分けています。

― CASECを利用するメリットは何でしょうか。

【ベネビデス】長い時間をかけることなく、英語力が正しく測れるのがCASECの一番のメリットです。プレイスメントテストの目的は、1,000人ほどいるリベラルアーツ学群の新入生を大まかに分けることであり、時間をかけて一人一人の英語力を緻密に測る必要はありません。学生への負担が少なくコスト面でもリーズナブルで、TOEIC®などとの相関も明確なので、学生にとっても私たち教員にとっても使いやすく分かりやすいテストだと感じています。

【熊澤】CASECは、日本の中学・高校で勉強してきて本学に入ってくる学生の英語力を測るのに適していると感じます。他の英語テストだと、学生には不慣れなビジネス用語が出てきたりして、私たちが見たい力が見えないことがあるんです。テストが終わってすぐにスコアが見られるのも実用的でいいですね。

一部の学群ではアチーブメントテストとしてもCASECを活用

― プレイスメント以外でのCASEC活用シーンを教えてください。

【ベネビデス】リベラルアーツ学群では、CASECを1年修了時のアチーブメントテストとしても活用し、入学時のスコアと比較して各自の伸びを確認しています。
リベラルアーツ学群の場合は、全学生に共通した到達目標やクリアすべきラインがあるわけではなく、それぞれの学生が、以前に比べてどれだけ伸びたか、というのが大事。CASECはその指標になっています。
レベルアップすれば履修できる授業(英語で行われる授業)の幅が広がるというインセンティブはありますが、良い点を取るだけがすべてではなく、英語をエンジョイしたい学生はそれでもいいと思っています。
また、リベラルアーツ学群では、1セメスターの海外留学プログラム(希望者のみ)があり、留学した学生は帰国後にCASECを受験しています。入学時、1年修了時と比較することで、留学したことでどれだけ英語力がついたのかが分かり、学生にとってはもとより、大学にとっても留学プログラムの効果測定の指標になっています。

― ほかにも活用している場面はありますか。

【熊澤】はい。本学では、英語圏以外の国や地域から来る留学生にもCASECの受験を推奨しています。
英語で行われる授業を履修したい、日本語に加えて英語も学びたいという留学生も多いためです。コロナ禍は、留学生の受け入れを一時休止していましたが、現在では留学生もコロナ以前の水準に戻り、また国際色豊かな学群の雰囲気に戻ってきました。

導入後の課題とその解決について

CASECプロクタリングでスコアの信頼性が高まる

― CASEC導入後に、何か課題はありましたか。

【ベネビデス】いつでもどこでも受験できるというのがCASECの魅力です。
システムが優れているため不具合やトラブルはほとんどなかったのですが、その一方で、きちんとした監督環境がないまま自宅受験をしてもらっていたので、残念ながら不正がゼロではありませんでした。
そこで、2020年春、新型コロナウイルス感染拡大により緊急事態宣言が出されたことを機に、AIを活用したオンライン試験監督システム「CASECプロクタリング」(※1)も採用しました。

(※1)受験中の映像をAI+人でチェックすることで、替え玉受験やカンニングなど、あらゆる不正行為を防止・検知できるシステムです。

― 「CASECプロクタリング」を導入して、どのような点がよかったですか。

【ベネビデス】「CASECプロクタリング」は、Webカメラで録画した受験者の映像をAIと人がチェックし、替え玉受験やカンニングといった不正行為を防止・検知できるようになり、スコアの信頼性がより担保されました。
また、この機能が追加されてもCASECのシステムやオペレーションには特に変更点はなかったので、コロナ禍も混乱なくプレイスメントテストを実施することができました。
アチーブメントテストを実施する場所や時期についてもより柔軟に対応できるようになり、どこでも受験ができるというCASECのメリットを改めて実感しました。

今後について

発信できる力を

― CASECを今後、どのように生かしていきたいと考えていますか。

【熊澤】「CASECプロクタリング」の採用により、グローバル・コミュニケーション学群の新入生の自宅受験も可能になりました。
グローバル・コミュニケーション学群の場合は、英語力が一定のラインをクリアしないと卒業できないので、入学時よりは伸びました、では済みません。
英語力を伸ばすためには適切なステップを踏んでレベルアップしていくことが重要であり、CASECで不正をして自分の実力よりも上のクラスに入ってしまうと、後で苦労するのは本人なのです。そうした理由から、不正を防止する目的もあって、グローバル・コミュニケーション学群では新入生を大学に呼んでCASECを受けてもらっていました。
「CASECプロクタリング」の採用は、コロナ禍になり学生が大学に来られなくなったタイミングでしたので、とてもありがたかったです。不正リスクを減らしてより正確に測れるというメリットは、とても大きいですね。入学前の学生を大学に呼んでテストを受けてもらう…というのは教職員にとっても負担だったので、その点でも助かりました。
今後も学生の英語力を速く正確に測る実用ツールとしてCASECを活用し、指導に役立てたいと思っています。

Client

桜美林大学

・設立年:1966年 ・学部:リベラルアーツ学群、グローバル・コミュニケーション学群、ビジネスマネジメント学群、航空・マネジメント学群、健康福祉学群、芸術文化学群、教育探究科学群